さまざまな業界で活躍するトップランナーのインタビューによる連載企画"エドックス ラヴァーズ"。
プロフェッショナルの仕事へのこだわりを通して、愛用する時計を紹介していきます。
今回は、水上バイクのフリースタイル部門で世界チャンピオンに輝いた、プロ水上バイクライダーの山本汰司さん。選手以外にも、競技艇の組み立てから仕上げまで、1からすべてを自らで行う職人としての顔を持ち、365日競技艇のことばかり考えている根っからの水上バイクラヴァーです。まだまだマイナーなスポーツである水上バイク・フリースタイルにハマったキッカケや、水上バイクの師匠・渡部文一さんの存在など、愛用するクロノオフショア1 クロノグラフ オートマティックを通してお話を聞いてみました。
競技艇が空に舞う姿を見て
プロになろうと決意
モータースポーツ好きの父の影響で、昔はモータースポーツのレースに3年ほど参加していました。その次に始めた水上バイクは、当初はレジャーとして楽しんでいました。22歳のとき、水上バイクの競技艇がスピードに乗り宙を舞った姿を偶然目の当たりにして、衝撃を受けました。「水上バイクでこんなことができるのであれば自分もやってみたい」と思い、出身の岡山県から広島県の「BUN FREESTYLE」まで通い、練習に励むようになりました。
世界一のチャンピオンと出会い
練習と組み立ての日々を送る
現在所属するチームの代表で、世界チャンピオンに2度も輝いたフリースタイル界のレジェンド・渡部文一さん(以下ブンさん)のことは、SNSで知りました。「一番になりたければ一番のところに行け」という父の教えに従い、ブンさんの経歴もよく知らない状態でアポ無しで会いにいったことをよく覚えています。当時の私は、レジャーと競技用の水上バイクは実はまったくの別物であること、プロライセンスを取得する必要があることなど、水上バイクの知識をまだよく知りませんでした。そんな私に、ブンさんは優しく接してくれました。
広島に完全移住してからは、競技艇の組み立てから仕上げまでをすべて自分で行い、レッスンも担当。年中競技艇に乗っているわけではありませんが、大会が決まると、本番にベストコンディションが出せるように毎日練習します。
「負け」の経験が
自分をもっと強くする
初めて水上バイクを購入したときに、2〜3ヶ月後に大会があるから出てみれば?とブンさんに言われました。興味本位で出場してみたところ、様々なラッキーが重なり、なんと優勝することができました。それからとんとん拍子に事が進みましたが、勝てばプロになれる大切な大会で、あと一歩のところで敗北。その後、2年かけてついにプロになることができました。プロになってからは、勝つこともあれば負けることもあります。負けることで得られるものは非常に多く、私自身のステップアップに繋がっています。負けしらずのプロ人生はカッコいいですが、負けてから強くなれるのもスポーツの醍醐味だと思います。
憧れの師匠は
フリースタイルの伝説の存在
憧れの人はもちろん、ブンさんです。フリースタイル現役時代に2回も世界チャンピオンになったレジェンドであり、水上バイクを教えてくれた師匠なので、それは揺るぎないですね。引退後の今も、ウェイクサーフィンの世界でチャンピオンを目指している姿勢を尊敬しています。特に大会前は、ブンさんと意見を交わしながら最高のプレーを追求しているので、とても頼りにしています。
人生を変えた水上バイクを
心から愛しています
山本汰司をひと言で表すなら、水上バイクラヴァー(笑)。練習はもちろんのこと、競技艇の部品作りから、組み立て、仕上げ、チューニングまで、いつでもどこでも水上バイクのことばかり考えています。水上バイクは、私の人生を変えてくれた大切なスポーツです。
エドックスのブランド力をいかし
水上バイクを広めたい
アンバサダーのお話を頂いたとき、「高級時計ブランドが僕にオファー?」という感じで驚きました。ブランドについて調べてみると、140年の歴史を持つスイスの老舗メーカーであり、強い信念のもとでモノ作りに取り組んでいることを知りました。「BUN FREESTYLE」が掲げる「世界一のモノ作り」と通ずるものがあり、モノ作りに携わっている身として深く共感したため、引き受けることにしました。エドックスのブランド力を借りながら、まだ日本では広く知られていない水上バイクの魅力を伝え、水上バイクを愛する人たちが憧れる存在になりたいです。
憧れの時計とともに
チャンピオンの座へ
オールブラックの時計を見たことがあまりなかったので、素直にカッコいいと感じました。ダイヤル素材のカーボンは、競技艇にも使用されるので、親近感が湧きましたね。男なら一度は高級時計をつけてみたいと思っていて、その念願の夢が叶いました。今年は6月に広島、10月にアメリカ、12月にタイで大会があります。必ず優勝して、この時計をつけて表彰台に登りたいと思います。
CHRONOFFSHORE-1
CHRONOGRAPH AUTOMATIC
クロノオフショア1
クロノグラフ オートマティック
Ref. 01122-37N1-NIN1-S
ブラックで統一し、重厚感のあるフォルムに仕上げたクロノオフショア1 クロノグラフ オートマティック。フィット感のある強靭な316Lステンレススティールケースに、軽量かつ頑強なブラックのカーボンダイヤル、スタッズを彷彿させるデザインを用いたラバーベルトと、実用性を高めた作りに。時計を美しく保つ耐傷性に優れたハイテクセラミックベゼル、耐水性のある500m防水、分厚くフラットに仕上げたサファイアクリスタル風防など、ディテールワークにもこだわった仕様。山本さんが愛用するバンデルのキャップとネックレスとも相性抜群で、機能的かつファッション性豊かな時計は、アクティブに動き回る人を広範囲でサポートする。
自動巻き(EDOX011 約46時間パワーリザーブ)、時・分・秒針、クロノグラフ、日付、曜日、45mm径、316Lステンレススティール(ブラックPVD加工)、オートヘリウムエスケープバルブ、ブラックカーボンダイヤル、ハイテクセラミックベゼル(逆回転防止仕様)、50気圧/500m防水、サファイアクリスタル(無反射コーティング)、スタッズパターンラバー(レザーストラップ付属)
山本汰司(プロ水上バイクライダー)
1991年生まれ。22歳の頃に見た水上バイクのフリースタイル演技に魅了され、プロへの道を決意。現所属の「BUN FREESTYLE」代表であり、日本人初となる2年連続世界チャンピオンに輝いたレジェンド・渡部文一氏の下で練習に励んでいる。競技艇の組み立てまでを自ら行う職人としての一面も。WGP#1 WATER JET World Cupでは3度優勝するなど、国内外の大会で表彰台に立ち続ける、日本を代表するプロ水上バイクプレイヤー。
Instagram:@taijiotaiji
Photography:Nomi Mitsuhiro
Text :Masanaga Miyajima
Direction :P.K Suzuki