さまざまな業界で活躍するトップランナーたちに選ばれるエドックス。連載企画"エドックス ラヴァーズ"では、彼らが愛用するエドックスウォッチへの想いに触れながら、プロフェッショナルとしての仕事へのこだわりや貴重なエピソードを紹介します。
今回は、国内でたった1人しかいないハイダイビング選手の荒田恭兵さん。高さ27mの台から回転やひねりを加えて飛び込み、入水時の衝撃は交通事故並みともされるエクストリームなスポーツです。日本ではまだ認知度が低い競技に挑戦したキッカケや、練習拠点とする東尋坊の存在など、荒田さんの腕に光る『ネプチュニアン オートマティック』の魅力とともにお話を聞いてみました。
目立ちたがり屋な性分
唯一無二のスポーツに熱中
小学校4年生のとき、体験教室のチラシを見てカッコいいと思ったことがキッカケで、水泳の飛込競技を始めました。中学校に進学する際に、併行して習っていた空手と飛込競技のどちらかを選べと両親に言われましたが、目立ちたがり屋の私は迷わず、周囲の誰もやっていなかった飛込競技を選びました。小さい頃から、他の人とは違うコト・モノに憧れる性格でした。
飛込競技から
ハイダイビングに転向
大学時代に飛込競技の国内チャンピオンになった私は、国際大会出場を目指しましたが、代表選手にはなれませんでした。今後の進むべき道に迷っていたとき、ハイダイビングというスポーツの存在、そしてそれが日本ではまだ誰も挑戦したことのない競技だということを知りました。日本人第一号の選手として、子供の頃から本気で続けてきた飛込競技のスキルをいかして世界で活躍したいと思い、ハイダイビングの道に進むことを決断しました。
心・技・体
オールラウンダーの競技
ハイダイビングは、マンションの9階と同じくらいの高さ27mから飛び降り、体操やフィギュアスケートと同じように、回転やひねりを加えた技の得点を競う採点競技です。入水時のスピードは時速85〜90kmといわれ、水面に対して垂直に着水することが重要です。それでも身体への負荷が大きいので衝撃に耐えられる強靭な肉体作りが大切です。飛び込みへの恐怖心もありますが、練習の数をこなし、チャレンジと失敗を繰り返しながら経験値を積むことで、乗り越えられるようになります。
また、プレーの難易度と成功度合いによって、得点が大きく変わります。高難度のプレーを完璧に成功させられる選手は、世界でもごく僅か。ハイダイビングのレジェンド選手は、この競技はメンタルスポーツだと言っています。良い結果を出すためには、自分のメンタルを適切に管理する必要があるのです。1日の練習で飛べる回数は限られているため、1回1回の練習の意味を深く考え、自分自身に適切な量とタイミングでプレッシャーを与えることを心がけています
自然豊かな東尋坊から
ハイダイビングを盛り上げる
ハイダイビングの公式練習場は世界で3箇所しかなく、日本にはまだありません。最速で上達することを目指すのであれば、ハイダイビングが根付いているヨーロッパなどの海外に移住することがベストです。しかし、日本での競技の認知度を上げ、ハイダイビング特有のカルチャーに根付かせるためにも、私は国内で練習環境を確立し、スキルを磨いていきたいと考えています。世界一のハイダイビング選手を目指し、現在は富山県のスポーツ協会で非常勤の職員として働きながら練習をしています。
現在拠点としている東尋坊は、世界三大絶勝に数えられ、その豪快な景観を見るために多くの観光客が訪れます。遊覧船が周遊するタイミングを狙って飛び込むことで、観光客に競技のことを知ってもらうとともに、ハイダイビングを見ることができる観光名所として東尋坊を盛り上げたいと考えています。
魚がたくさん泳いでいて、豊かな自然が魅力的な東尋坊ですが、観光客や釣り人がゴミを持ち帰らず、そのまま放置されている悲しい問題にも直面しています。競技生活を支える練習場所であり、心の拠り所でもある東尋坊の大自然を守るため、練習後に必ずゴミ拾いを行うようにしています。特に海中のゴミは、海に直接入る私しか拾うことができないので、責任を持って回収するように努めています。初めは自分1人で取り組んでいたとしても、コツコツ地道に続けていけば、必ずその輪は広がっていく。ハイダイビングも、ゴミ拾いも、この東尋坊で粘り強く継続していきたいです。
防水性能とデザインが魅力
日常の相棒・エドックス
私が愛用しているネプチュニアン オートマティックの1番の魅力は、1000mの防水性能です。これを着けて海に飛び込むわけではないですが、練習場所となりそうな崖や橋の調査などのタフな環境でも着用しています。安心感がありますし、この競技に携わる身として親近感を覚えます。人前に立つときでも自信をくれるクールなケースデザインと、どことなく海を思わせるようなグラデーションカラーのダイヤルも気に入っています。この時計に出会うまでは時計を着ける習慣がなかったのですが、今では日常生活での大事な相棒です。
NEPTUNIAN AUTOMATIC
ネプチュニアン オートマティック
Ref.80120-3NCA-BUIDN
海の神よりインスピレーションを受けた『ネプチュニアン オートマティック』は、タフネスを追求したプロスペック仕様のダイバーズウォッチ。医療機器にも使用される316Lステンレススティール製ケース、一般的なステンレスの硬度の3倍以上の耐傷性を誇るハイテクセラミックベゼル、厚さ3㎜のサファイアクリスタルを採用し、1000m防水を実現。グラデーションブルーダイヤルに、スーパールミノバX1を塗布し、暗所での視認性も確保。荒田さんが重宝している株式会社丸五のスニーカー風足袋『Sports jog Ⅱ』や水中スクーターの『SCUBAJET』とともに、大自然が広がる場所では欠かせないマスターピースになっている。
自動巻き(EDOX80)、時・分針・秒針、日付、44㎜径、316Lステンレススティール、グラデーションブルーダイヤル、ハイテクセラミックベゼル(逆回転防止仕様)、100気圧/1000m防水、サファイアクリスタル(無反射コーティング)、ラバーストラップ
荒田恭兵(ハイダイビング選手)
1996年生まれ。小学生の頃から水泳の飛込競技を始め、2017年日本選手権では男子シンクロ高飛込で優勝。大学卒業を機に、ハイダイビングに転向。世界水泳福岡2023では決勝まで進出し、レッドブル・クリフダイビング・ワールドシリーズ2023の第4戦では、ワイルドカード枠で日本人初出場を果たした、日本で唯一のハイダイビング選手。競技の普及活動とともに、練習拠点である福井県坂井市の東尋坊や自然環境のクリーン活動も同時に行う。
Instagram:@kyo_39
Photography:Mitsuhiro Nomi
Text :Masanaga Miyajima
Direction :P.K Suzuki