さまざまな業界で活躍するトップランナーたちに選ばれるエドックス。連載企画“エドックス ラヴァーズ”では、彼らが愛用するエドックスウォッチへの想いに触れながら、プロフェッショナルとしての仕事へのこだわりや貴重なエピソードを紹介。
今回は、アルペンスキー競技の日本代表選手を経て、現在は全日本技術スキー選手権大会を5連覇中のプロスキーヤー・武田竜さんが登場。基礎スキーのジャンルにおける名実ともにリーディングパーソンである武田さんに、スキーにかける熱意、若き日の挫折、そしてこの度就任したエドックス・アンバサダーとしての意気込みや着用する『クロノオフショア1 ベゼルロック クロノグラフ オートマティック』への感想などを聞かせてもらいます。
挫折や苦悩を経て気づいた、
スキーを通してできること

生まれは北海道の小樽。幼い頃よりスキーに慣れ親しむ中で、アルペンスキー競技と出会いました。中学生の時に日本代表ジュニア指定選手に選出され、その後大学卒業後も国内外の大会へ挑戦し、2011年、2013年と全日本スキー選手権大会アルペン競技男子回転・大回転で優勝。2014年にはワールドカップに出場することができました。
ずっとアルペンスキー競技でオリンピックを目指していました。しかしその夢は叶いませんでした。そんな中で出会ったのが全日本技術スキー選手権大会。正直にいえば、初めはつまらないと感じました。アルペンスキーのようにタイムを競い合う競技ではなかったため、刺激が足りないと感じていたんです。アルペンスキーは、様々なスキー競技の中でもいわば花形ですから。
しかし、全日本技術スキー選手権大会は、いわば日本のスキー技術を底上げするために重要な大会であることに気づきました。この大会で結果を出すことが、日本のアルペンスキー競技のバックアップにもつながると思い、本腰を入れる決意をしたんです。

現在は、全日本スキー連盟の教育本部に所属し、日本のスキー協定のマニュアルの改訂に尽力しています。スキーの指導者たちがより正しい指導をできるように、また指導される側も理解しやすく着実に早く上達できるような内容に変更しています。
勝ち続ける自分を見せることが、
指導者としての信頼に

スキーが好きだし、これからの日本のスキー業界に何らかの貢献をしたいという思いがあります。選手の育成だけでなく、スキーを取り巻く環境も含めて。昨今はインバウンドによって、観光資源としても日本のスキー場が世界的に注目されています。海外から多くのスキー客が訪れていますが、注目度が上がっているからこそ、これを機に日本だけでなく中国や韓国といったアジア全体でのスキーを取り巻く環境を整備する必要があると思っています。ベースが上がれば層も厚くなり、それによってレベルも上がっていきますからね。そのためにやるべきことが沢山あるので、やりがいを感じています。
全日本技術スキー選手権大会に出続けているのも、その一環なんです。何かを変えるために、何かを広めるためには、やはり僕自身が大会で勝てる強い選手でいなければいけない。そうでなければ、説得力がありませんから。連覇を重ねる中で、注目度が上がっていることを実感しています。これまで縁のなかったメディアからの取材も増えましたから。もちろん、サポートをしてくれる方々も。親しい人の中には「何だよ、また優勝おめでとう」なんて冗談で言う人もいますけどね(笑)。

自分の中では、これまで同大会では3連覇が最高記録だったので、4連覇は是が非でも果たしたいと思っていました。そこから先も、続く限りは優勝したいと思っています。連覇が続くと、大会の取り組み方も変わってくるんです。10年ぶりに教程が変わり、採点の基準にも技術的な側面で変化が現れています。僕を追いかけてくる若手の選手たちの成長スピードにも、日々驚かされています。僕がこれからも連覇を続けていければ大会全体のレベルも上がっていくはずですが、まだまだ後進に道を譲るつもりはありません。もちろん、そうはさせまいという若手がどんどんと出てきて欲しいという思いもあります。いまは第一線で戦いながらも、未来を担ってくれるスキーヤーたちにチャンピオンとして背中を見せたいです。

日本のスキー業界の未来のために、
自分が憧れられる存在に

今回エドックスのアンバサダーに就任させていただいたのも、全日本技術スキー選手権大会により沢山の方に関心を持っていただくためです。最近は、スキー場や街中で声をかけていただく機会が増えました。着実に注目度が上がっていると実感しています。
プライベートではゴルフが好きで、競技会で有名な選手にお会いすることがあるんです。僕にとって彼らは憧れの選手なので羨望の眼差しで見ているんですが、その都度、スキー業界においては僕がその立場であると再認識させられます。

注目される立場になるにつれ、装いにも気を使うようになりました。別に高級ブランドが好きというわけではありませんが、エドックスのような歴史あるブランドの腕時計を着けることで、若手から「頑張ればこんな腕時計を着けられるんだ」って思ってもらうことも必要だと考えています。どんなことでも、“憧れる”ことはモチベーションになりますからね。
愛用しているエドックスの腕時計も、普段使いではもちろん、やっぱり優勝台で身に着けている姿の方がカッコいいじゃないですか。実は優勝台でどうやったら腕時計が良く見えるか、こっそり練習してたんですよ(笑)。
腕時計選びにおいても貫く
ナンバー1へのこだわり

愛用している『クロノオフショア1 ベゼルロック クロノグラフ オートマティック』は、すごく気に入っています。元々黒がベースになったカラーリングが好きで、さらに文字盤が大きくて迫力のあるデザインが好きなんです。その点、このモデルはまさしくといったところ。あまりに気に入って、練習中にも着けていますよ。

特に好きなポイントは、インデックスの表示が1のみ表示されている点。競技に身を置くものとしては、やっぱり1という数字にこだわりたいんですよね(笑)。
CHRONOFFSHORE-1 BEZEL LOCK
CHRONOGRAPH AUTOMATIC
クロノオフショア 1 ベゼルロック
クロノグラフ オートマティック
Ref.01128-3NRCA-NN

最高速度が時速200kmに達することから「海のF1」と呼ばれるパワーボートレース。その世界観と高度なスペックを腕時計に落とし込んだのが、クロノオフショア 1 コレクション。
今回紹介する『クロノオフショア 1 ベゼルロック クロノグラフ オートマティッ』クは、ハイテクセラミックベゼルや500m防水といったハイスペック仕様に加え、ベゼルの誤回転を防ぐロック機構をブランドとして初採用。プロダイバーの厳しい要求も満たすスペックとして認められ、海洋環境保護を目指す極地探検プロジェクト「アナンタ・エクスペディション 2」にも採用されています。
タフにして高い視認性、そして高い信頼性を誇る同モデルは、武田さんが普段愛用しているGIROのゴーグルとマッチ。冬山においても活躍を約束してくれます。
自動巻き(EDOX011)、時針・分針・秒針、クロノグラフ、日付、曜日、45mm径、316Lステンレススティール、オートヘリウムエスケープバルブ、ベゼルロック機能、ブラックダイアル、ハイテクセラミックベゼル(逆回転防止仕様)、50気圧/500m防水、サファイアクリスタル(無反射コーティング)、ラバーストラップ
武田竜(プロスキーヤー)
1984年生まれ。4歳からスキーをはじめ、地元でのチーム活動を経て日本代表ジュニア指定選手に。2011年、2013年に全日本スキー選手権大会アルペン競技男子回転・大回転で優勝。2014年にはアルペンスキー・ワールドカップに初出場。その後、全日本技術スキー選手権大会へと転向し、2019年、2021年、2022年、2023年、2024年、2025年と6連覇を達成(2020年は未開催)。全日本スキー連盟の教育本部に所属し、日本をはじめアジア各国にも遠征しスキー技術の指導を行う。
Instagram:@takeda_ryu84
Photography:Mitsuhiro Nomi
Text :Masafumi Yasuoka
Direction :P.K Suzuki