ファッショニスタ
×ノリモノ
×エドックス
街ダイバーズとどこまでも!
BEAMS CREATIVE DIRECTOR
「エドックスとアバルトは共にオーバースペックなところがありますが、そういった部分に男子は、なんとも言えない安心感を覚えるのです」
episode.1
とことん性能を追求し作り込まれたアイテムに魅力を感じます
日本のファッションシーンをリードするセレクトショップの雄、ビームス。そんな誰もが知る企業のエグゼクティブとして、世界を股に掛け活動を広げる中村さん。多忙な毎日を送るなか、ひとつのリフレッシュ・タイムとしてステアリングを握る時間を大切にしていると話します。現在の愛車であるアバルトの595ツーリズモは、過去のクルマ遍歴のなかでも特にスポーティな一台。
「小さなクルマですので、遠出をすることはあまりありません。足を伸ばしてもせいぜい箱根が限界(笑)。でも、595ツーリズモは見た目以上にスパルタンなスペックを持っており、とても運転し甲斐のあるクルマです。都内を走っているだけでも爽快な気分を味わうことができるんです」
595シリーズは、いわゆるフィアット・チンクェチェントのチューンナップバージョン。インタークーラー付きターボを擁した16バルブエンジン搭載による純然たるホットハッチです。そのままでも完成度の高い一台ですが、中村さんはさらにホイールやマフラーも、よりスポーティ且つラグジュアリーな仕様にカスタムしているのだとか。
「実は僕、学生時代に原宿で駐車係のアルバイトをしていたことがあるんです(笑)。場所柄もあって、さまざまなスポーツカーを間近に見ており、いつかは自分もと憧れを持っていました。とは言え僕の場合、都内を走るくらいがメインですので、あまりに大型サイズだと少し手に余る。アウディやアルファロメオに乗っていた時期もありましたが、もっとキビキビ走りたいと考え、この一台にたどり着きました」
休日に沸き起こるスポーツマインドをドライビングにて発散している中村さん。また、スポーツカーとエドックスにはある共通点があると指摘します。
「子供のときから工作や物作りに親しむ男子は少なくありません。だから性能を追求し作り込まれたアイテムに興味を抱くのも、ある意味自然なこと。また、闘争本能も男子ならではのマインドです。心のどこかにある“負けたくない”という思いが、スペック重視の物選びに進ませるように感じます。595もエドックスも共にオーバースペックなところがありますが、そういった部分に男はなんとも言えない安心感を覚えるのではないでしょうか」
episode.2
時計に合わせてスタイリングの随所にブルーを取り込んで
この日の中村さんの着こなしは非常にカジュアル。しかし隅々まで計算され尽くした練達のオフスタイルに仕上がっています。
「休日のドライブ・スタイルですから、窮屈な部分はできる限り排除しています。ブルーのクロノオフショア1に合わせて、同系色のアイテムをポイント的に取り込んでコーディネイトしてみました。いわゆるテーラードのジャケットでは着座姿勢のときに裾を踏んでしまうので、着丈の短いシャツジャケットを選んでいます。インナーは半袖のスウェットシャツ。ハイゲージのニットでも良いのですが、今日はカジュアルなドライビングをテーマとしたこともあり、スポーティなガゼット付きスウェットにしました。そしてアクセント付けとしてブルーのバンダナを軽く巻いて。シャツでは堅すぎるけど、やはり首元に何もないのも少し寂しげ。こういった巻き物を加えることで、素っ気無さも解消できるように思います。クロノオフショア1自体は高級感ある一本ですが、こうしてカラーを揃えることで、腕元だけが目立つこともなく、バランスの良い装いになると思います」
全体のバランスを考慮して足下は革製スリッポン
一見、ざっくばらんなオフスタイルも隅々までキッチリ組み立てるのが中村さんの流儀。足下までバランスを考えた構成は、やはり参考になるもの。
「ネイビーのスリッポンも、クロノオフショア1とカラーを揃えてセレクトしました。ドライビング要素だけを突き詰めるなら、スニーカーという選択もありですが、それだとちょっと全体的に重みに欠けた印象になることも。だからレザー製のスリッポン。さらにビットがアクセサリー的な要素にもなっています。ブルーをメインにしつつも、それのみだとやや単調な印象になるところも気をつけるべきポイント。軽快さや清潔感を演出する意味で、今回はホワイトパンツを取り入れました。この一本はスリムすぎず運転も快適にこなせる絶妙なテーパードシルエット。パンツに関してはドローコード付きのイージーなスラックスを合わせることもあります。そういう場合は、足下をエスパドリーユなどに替えてバランスを調整します」
episode.3
男を惹きつけるスポーティーなクルマと時計
東京の道路は日中非常に混みがちです。しかし、夜ともなると都心でもウソのように走りやすく変わります。そんなときに運転の醍醐味が味わえると中村さん。
「別にスピードを出すとか特別なハンドル捌きをすることもありません。自分のペースで気兼ねなく運転できるだけで楽しくなるのです。夜は特に街自体も静まります。少しウインドウを開けてマフラーから出る音に耳を傾けつつ走らせることが、最近のお気に入り」
そういったシーンでの時計は、やはりアクティブなものを合わせるのが中村さんの流儀。なかでもブルーのクロノオフショア1は今のベストウォッチだと言います。
「ブルーは洋服でもそうですが、自分のフェイバリットカラー。でもゴールドとの組み合わせは、やや派手になるかと最初は思いました。しかし実際に腕に着けてみると、このピンクゴールドトーンが思いのほか肌に馴染むのでびっくり(笑)。また、ブルーのラバーストラップもつけ心地抜群です。運転中もまったく気にならず忘れてしまうほどのフィット感は流石のひと言」
アクティブなスペックにレザー内装を奢ったアバルト595ツーリズモは、いわばラグジュアリースポーツな一台。本格時計のスペックを随所に備えたクロノオフショア1がマッチするのは当然だと中村さんは付け加えます。
CHORONOOFFSHORE-1 CHRONOGRAPH AUTOMATIC
エドックス クロノオフショア1 クロノグラフオートマチック
パワーボートレースのタフでダイナミックな世界観を表現した、機能性と防水性に優れたハイスペック・クロノグラフ。なかでも高い人気を誇るのが、ダイヤルをはじめベゼルやストラップまで海を思わせる鮮烈なカラーにて染め上げたブルーモデル。この最新作はシリーズ初となるスタッズモチーフによるブルーラバーベルトがひとつのポイント。500mという高い防水性に加えサファイアと同等硬度のハイテクセラミックベゼルなど、プロ仕様と言える本格スペックを網羅する。ファッション性と機能性を追求したクロノグラフは、ラグジュアリースポーツ・ウォッチの完成型といえる一本。
【スペック】 自動巻き(Edox011 val.7750ベース) 時針・分針・秒針、クロノグラフ、日付、曜日 45mm径 SS(ゴールドPVD)ケース ハイテクセラミック(逆回転防止ベゼル) 50気圧/500m サファイアクリスタル(無反射コーティング) ブルーのスタッズパターンラバーストラップ、ステンレススティールのフォールディングクラスプ(ゴールドPVD)
¥451,000(税込)
商品はこちら
episode.4
ドライビングにマストなキーアイテム
クルマというツールをより快適に使用するためには、いくつかの補助アイテムが必要です。しかしそれはオーナーがドライビングをどう定義するかで様々に変わるもの。吟味し尽くされたアイテムをチェックすることで、ファン トゥ ドライブの極意が分かります。
Item & gear .01
持ち運びやすくて手馴染みも抜群のクラッチバッグ
スマートフォンやウォレットにキー類など。衣服のポケットに収まりきらないアイテムをまとめるモノとして、ドライビングのシーンでもクラッチバッグを愛用する中村さん。
「このバッグはイタリア“アカーテ”の定番モデル。“アカーテ”はピッティなどにも出展している実力あるレザーブランドです。厚手のシボ革が手によく馴染んで使いやすいところも魅力。オーセンティックなスタイルなので、いろいろな装いにハマるのも特徴です。フラップでフタをするデザインですが、フラップの突起をループに通すときのシュッというスムースな感触も非常にグッド(笑)。また、今日はシューズとの兼ねあいも考慮して、このバッグをチョイスしました」
Item & gear .02
話題上昇中“ザ ビスポーク デュード”のサングラス
陽射しが強い季節のドライビングにサングラスは欠かせません。今季、中村さんの目に留ったのが、クラシカルなボストンフレームの一本。
「サングラスは40歳になってから集めだしました。ドライビングというよりは、自分の顔型や着こなしにマッチするものを選んでいます。このサングラスはイタリアの“ザ ビスポーク デュード”のもの。近年ファッショニスタから支持されている、ちょっと注目したいブランドです。僕の顔にもピタリと納まるデザインがお気に入りのポイント。クラシカルであっても押し出しが強すぎるフレームも昨今多いのですが、このモデルは非常に繊細で上品」
Item & gear .03
シンプルにして美しい編み込み革キーホルダー/h3>いわゆるブランド物には手を出さないという中村さん。唯一クルマのキーホルダーだけはボッテガ ヴェネタを使用していました。それにはあるワケが。
「実はいただきモノなんです。懇意にしているイタリア人のディレクターが、わざわざ買って贈ってくれました。ブランドネームがあまりにも強く出るアイテムは敬遠しがちの僕ですが、これは単純に編み込みデザインが気に入ったのと、贈り物ということもあって使ってみようと考えました。やっぱりキー単体だと大きめのバッグに入れたときなど見失いがち。このキーホルダーはサイズ感も抜群で非常に便利。こういったアイテムはシンプルなものが理想。丸いメタルチャームがなくても十分と思います」
「実はいただきモノなんです。懇意にしているイタリア人のディレクターが、わざわざ買って贈ってくれました。ブランドネームがあまりにも強く出るアイテムは敬遠しがちの僕ですが、これは単純に編み込みデザインが気に入ったのと、贈り物ということもあって使ってみようと考えました。やっぱりキー単体だと大きめのバッグに入れたときなど見失いがち。このキーホルダーはサイズ感も抜群で非常に便利。こういったアイテムはシンプルなものが理想。丸いメタルチャームがなくても十分と思います」
Profile
中村 達也TATSUYA NAKAMURA
ビームス クリエイティブディレクター
1963年 新潟市生まれ。 母の実家は羅紗屋(生地商)、父方の祖父は靴職人という環境に生まれる。 大学4年の秋にビームスにてアルバイトを始め、卒業と同時に入社。 ビームス 渋谷、ビームスF 店長、BEAMS F バイヤーを経て、現在はクリエイティブディレクターとしてドレス部門を統括。自身のオウンドメディア「TATSUYA NAKAMURA OFFICIAL OWND(https://tatsuyanakamura.amebaownd.com )」では独自コンテンツも充実。
- Photograph / Naoto Hayasaka
- Text / Tsuyoshi Hasegawa(zeroyon)
- Direction / Keiichi Moritani
- Web / PEACE Inc.