各界の第一線で活躍する著名人へのインタビューによる連載ページ“エドックス ラヴァーズ”。
プロフェッショナルな仕事へのこだわりや、彼らの愛用ウォッチなどに迫ります。
今月は、ロンドンオリンピック・男子200m平泳ぎ 銅メダリストでもある水泳選手 立石 諒 選手です。
心動かされたあの瞬間、オリンピック出場という夢が現実に一歩近づいた
水泳を始めたきっかけはなんですか?
4歳の時、兄と一緒にスイミングスクールに通い始めたのがきっかけです。祖父の勧めもありました。小さい頃から、川やプールを見ると自分から飛び込んでいくようなやんちゃな子供でしたから、水への抵抗も全くなかったですね。幼稚園の頃、コーチから“選手育成コース”に誘われて。昔から速かった訳ではなかったのですが、当時プールに行くことが日課だったし、単純に楽しかった。
本格的に水泳への道を意識し始めたのは、進学を考えるようになった中学2年生の頃です。アテネオリンピックで金メダルを獲得した(北島)康介さんを見て、平泳ぎでこんな風になれるんだ、と心動かされました。オリンピック出場という夢が、現実に一歩近づいた瞬間でした。
モチベーションは試合に勝つこと
練習はどの位されるのですか?立石選手の原動力とは?
大事な試合に合わせて、20km程“泳ぎこむ時期”と10km程度に抑えて“調整する時期”があります。
モチベーションは試合に勝つこと。4年に1回しかないオリンピックもその一つです。怪我やいろいろな事があって水泳を辞めようかなと思った時期もありましたが、何とかもう一度モチベーションを取り戻せたのは周囲の方々に支えられたから。あと、ずっと追いかけてきた康介さんの存在も大きかったですね。
人と比較することはしない。
結局は自分との勝負。
日々特に大事にされていること、意識していることはありますか?
練習は、一人でやりたい派です。水泳は、自己ベストを更新できるかどうか。記録を目指せば、自ずと結果がついてきます。もちろん勝負は大事ですが、人と比較することはしません。勝ち負けにこだわることじゃない。結局は自分との勝負です。だから、なるべくプールに人がいない時に練習します。
あとは、よく食べ、よく寝る、頭を切り替える。水泳の試合では、一週間に3種目(50m・100m・200m)をこなさなければなりません。たとえ最初の試合で思うような結果がだせなくても、ひきずらない切替えの早さには自信があります(笑)
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目標はリオオリンピック。あの大舞台で結果を出したい。
今後の目標とは?
リオオリンピックに出たいですね。オリンピックのあの雰囲気は言葉にできないのですが・・・本当に独特なんです。せっかくやるならあの大舞台で結果を出したい。今はその前の大事な大会となる「世界水泳選手権」に照準を合わせて、日々トレーニングをしています。
あと、一人でも多くの方々に水泳を見にきてもらいたいので、少しでも水泳の魅力を伝えられればいいなと思います。現役ながらTVなどに出させていただくのもそういう思いからです。康介さんのお陰で水泳の認知は上がりましたが、水泳を続ける人や、実際に観戦したことのある方は少ないですから。僕は水泳しかできないので、好きなことを心おきなくやれる環境を、後輩にも残してあげたいと思います。
結果を残せば周囲を納得させることができる
プロフェッショナルとは?
高い目標を設定して1日1日実行していくこと、だと思います。
アスリートは結果がすべてのシビアな世界です。結果次第で天と地ほどの差がありますが、結果を残せば周囲を納得させることができる。怪我をせず、選手としてのモチベーションを上げ続けていきたいですね。
立石 諒 Profile
1989年生まれ。神奈川県出身。
2010年、競泳の日本選手権で、50m平泳ぎ・100m平泳ぎ・200m平泳ぎで3冠達成し、ポスト北島康介として注目を集める。
2012年、ロンドン五輪では男子200m平泳ぎ決勝で銅メダルに輝く。2013年、慶応義塾大学卒業後、株式会社ミキハウス入社。2015年8月の第16回世界水泳選手権の日本代表メンバーとして出場。
Photography:Hajime Kamiiisaka
撮影協力:GSPR