各界の第一線で活躍する著名人へのインタビューによる連載ページ“エドックス ラヴァーズ”。
プロフェッショナルな仕事へのこだわりや、彼らの愛用ウォッチなどに迫ります。
今月はファッション広告、映画、ミュージック・ビジュアルを中心に幅広く手掛けるフォトグラファーの上飯坂 一氏です。
30歳で選んだ転身
フォトグラファーになったきっかけは何ですか?
以前はレコード会社に10年働いていました。マネージャー、プロモーター、デザインなどをしていました。iPodの発明やデジタルの普及など時代の移り変わりと共に、何か新しいことに挑戦してみたいと考えるようになったんです。ちょうど30歳の頃、この道を選びました。30歳からアシスタントを4年半しました。転身とはいえ、もともと一度決めたら最後までやりたいタイプなので、アシスタント時代から不安や迷いはまったくありませんでしたね。途中では辞めない覚悟はしていたんだと思います。
最大限のパフォーマンスを生むために
普段の生活で大事にしていること、意識していることはありますか?
仕事柄、撮影が深夜に及んだり、早朝から始まったり、どうしても不規則なので、体と感覚には気をつけています。どんな時も感覚だけはブレないようにしていたい。ライブの撮影などでは一日中動き回ることもありますし、どんな仕事も集中力を切らさず最後までやりきるためには、肉体的にも精神的にも体力勝負なところがたくさんあります。そのための準備と努力は必要だと思っています。そのひとつとして、朝は自宅近くをランニングして心と体にスイッチを入れています。どこかリズムが崩れると、やはり仕事にも影響してきます。それから、いろいろなものを体験して新しいものを取り入れること。そういう感性みたいなものは大事にしたいですね。
挫折と喜びを繰り返して進化していく
プロフェッショナルとは?
人に“!”を与え続けること、つまり人に“おっ!” ”すごい!” ”素敵!”などの驚きや感動を感じていただける仕事をし続ける事だと思います。ニーズに応えることはプロとして当たり前なのですが、人の心を動かす仕事というのは、期待以上の仕事をしたときはじめて生まれてくるものです。アーティストやモデル、スタイリスト、ヘアメイク、編集などその道のプロフェッショナルたちと力を合わせて良い作品が生まれたりすると嬉しいですね。ライブに来れなかった人が写真を見て、まるでライブを体感しているかのような“!”を感じていただけた時もやりがいを感じます。自分の心が動かされていたり音にノっている時は、それが写真に共鳴したイイ写真が撮れます。毎回“!”を求めてレベルがあがっていくので挫折と喜びの繰り返しですが、それでも笑って前にすすめるのがプロフェッショナルなんだと思います。
モノに溢れた生活で見つけた、シンプルさと永続性
モノ選びのこだわりはありますか?
19歳の頃、ニューヨークから洋服を買い付けるバイヤーをしていたので、若い時から沢山のモノを見てきました。いろいろな物を手に入れた結果、選ぶのは「シンプル」で「長く使えるもの」にいきつきました。そうなると買い足す必要がなくなり、あまり買い物はしなくなりましたね。撮影の際の服は余計な色を写し込まないよう、ライブ撮影では黒、、スタジオでは白、が定番で気に入ると同じモノを数枚買ったりします。
このモデルを選んだ理由は?
実際にアイスタイビングで使われる機能性と、限定モデルという点、そして僕はスノーボードをやるので”氷の世界”にも惹かれました。カーボンやサファイアクリスタルのラグジュアリー感、適度な重みもイイです。手首を邪魔しないレフトハンズも、仕事柄嬉しいです。普段洋服がシンプルなので、さり気ないシャーク(鮫)のプリントも大人の遊び心で気に入っています。
品名:クロノオフショア1 アイスシャークIII
型番:10304-37N-NIN
>>詳細はこちら
上飯坂 一 Profile
1993年よりEpic/Sony Records勤務。
プロモーターやA&Rを経て、デザイン制作グループに属す。2002年に退社、JFKKにアシスタントとして従事の後、フォトグラファーとしての活動を開始。ファッション広告、映画、ミュージック・ビジュアルを中心に幅広く手掛けている。
http://www.kamiiisaka.com/
Photography: KARL (RR Inc.)