各界の第一線で活躍する著名人へのインタビューによる連載ページ“エドックス ラヴァーズ”。
プロフェッショナルな仕事へのこだわりや、彼らの愛用ウォッチなどに迫ります。
今月は、ロンドンオリンピック バンダム級で日本ボクシング史上44年ぶりの銅メダリスト、
アマチュアボクシング選手 清水聡選手です。
一度は辞めたボクシングへの道
ボクシングを始めたきっかけはなんですか?
中学3年生の時、父の同級生が岡山・倉敷で会長をされているボクシングジムに通い始めました。ジムでセンスがあると言われて、のめり込んでいきました。その後、ボクシングが強い関西高校に受験して入学し、ボクシング部に入部したのですが、練習も先生も上下関係もすごく厳しくて、僕を含め部員20人全員が半年で辞めてしまいました。普段僕に対して何も言わない父が、その時ばかりは珍しく「戻れ」と言ったのが印象的で、その言葉には何か感じるものがあって高校2年で再開しました。
小さい頃はピアノや卓球をやっていました。どちらもボクシングとは全然違うイメージがありますが、同じラリーの繰り返しで、フォームが大事なところは共通しているんです。今思うとリズム感や動体視力を養うのに役立ちましたね。
誰もやったことのないことを達成したい
厳しい練習の原動力とは?
「勝ちたい」の一心です。ボクシングは殴られて負けるわけですから。最も屈辱的な負けになるスポーツです。だから、しっかり練習するしかない。負けず嫌いなんです。そして、リオオリンピックでメダルを獲りたいです。3大会連続出場は日本初、2大会連続メダル獲得も日本初になるので、誰もやったことのないことを達成したい。その道は甘くはないので、2016年2月3月の予選に向けて、練習あるのみです。
1ラウンド1ラウンド全力でやること
日々特に大事にされていること、意識していることはありますか?
1ラウンド1ラウンド全力でやることです。誰しも得意不得意あるものですが、ウィークポイントをつくらないようパンチ、筋トレ、走りこみ・・・様々なトレーニングで全てをまんべんなくできるよう詰めていっています。
あと、趣味の釣りやダーツ、ゴルフでオンとオフはしっかり切り替えています。先日も、マグロの一本釣りで2時間マグロと戦いました(笑)
商品名:クロノオフショア1 クロノグラフ ビッグデイト
アマチュアへのこだわり
プロへのお誘いも何度もあったと聞きましたが、アマチュアで戦い続けるのは?
オリンピックのメダルはアマチュアでしか獲れませんから。アマチュアの方々にお世話になってきたので、アマチュアでメダルを獲って恩返ししたいです。そして将来は、アマチュア界での指導者としてオリンピック選手を育てて輩出したい。僕は野性の勘を信じる“感覚派”なので、試合中もセコンドの話を取り入れることは少ない方だと思いますが、150~160戦の経験を自分なりに分析もしているので、指導にも役立てられればと思います。
清水 聡 Profile
1986年生まれ。岡山県出身。
2007年、駒澤大学経営学部進学後に国体、全日本選手権で優勝。大学卒業後、陸上自衛隊 自衛隊体育学校所属の自衛官を経て、現在ミキハウス所属。
2008年、北京オリンピックフェザー級日本代表として出場。
2012年、ロンドンオリンピックで、2回戦で明らかなミスジャッジで敗北するも後日不正が認められ、判定が覆り準々決勝に進出し、バンダム級で見事銅メダルを獲得。日本ボクシング史上44年ぶりの快挙だった。
2016年、リオデジャネイロ五輪出場を目指す。関西出身らしい軽快なトークを生かして、講演やテレビ番組でも活躍中。
Photography:Hajime Kamiiisaka
撮影協力:GSPR